はぁ、今日もバイトが始まる。まあ種島先輩がいるからこそ続けてるバイトであってもし先輩がいなかったら、俺絶対即辞めてただろうな……。「おはようございます、店長。今日も店の品物を無断飲食ですか。」俺はタイムカードをレコーダーにカションと差し込みながら、嫌味たっぷりに挨拶した。「なにを言う。私の店の品物を私が食って何が悪い。それにこれは店の味がちゃんと」「キープされているかの試食でもあるのだ。れっきとした業務行為だぞ。」はぁ、もうツッコム気力も起きない。とりあえず今日は伊波さんはシフトに入ってないみたいだ。とりあえず身の安全を心配する必要はなさそうだ。「それにしても今日は暑いですね……。それなのに、なんで従業員エリアはエアコン」「入ってないんですか?これじゃ蒸し風呂ですよ……。」俺は30度を超える外で蒸され、ようやく涼めると思って入ったワグナリアの従業員スペースでも思っていたよりも涼むことができず、つい愚痴を漏らしてしまう。「ああ、本部からエコして経費節減しろっていわれたんでな。とりあえず空調止めた。」まったく、経費節減ならそんなことよりもっと他にするべきことがあるだろう。「この蒸し暑いのにエアコンなしだなんて……という割には店長は涼しそうですね。」冷たく冷えたスウィーツを食べてるのはとりあえずおいとくとしても、この蒸し風呂一歩手前の従業員エリアで汗ひとつかいていない。「なにか涼しく過ごすコツでもあるんなら教えてくださいよ店長……」その瞬間、俺は店長のその格好に思わず口をつぐんでしまった。てっきりいつもの店長専用制服を着ているものとばかり思っていた彼女は、よくよく目を凝らしてみれば、その服に見えたものは一切の厚みを持っていない。くっきりはっきりと彼女の体のラインを浮き立たせたその服もどきは……「ちょっ!て、店長っ!なんですかその格好はっ!!」俺は思わず大きな声を張り上げて、その直後ハッと口をつぐんだ。そして他の人に聞かれないように店長の傍に歩み寄り、その身体を直視しないようにやや視線を反らしながら小声でつぶやいた。「そ、それボディペイントじゃないですか…そんな格好、他に人にバレたりしたら……」すると店長は胸元に零したバニラアイスを指で掬い取り、口元に運びながら答える。「ああこれか。いいぞ涼しくて。轟の奴にやってもらったんだが……」バニラを掬い取った胸の先端部は、絵の具が溶けその中の自前のさくらんぼの色が透けてきている。俺は思わずドキマギしつつ、店長に背を向けて再び力説する。「他に男子従業員もいるんですから、そんな格好は自重してくださいよ。じゃないと俺」言葉尻を濁しつつ、いまだ思春期の末端から抜け出せぬ青少年であることを自覚させられた俺は、必死に自分を抑えようと両の拳を強く握り締めた。「ああ……佐藤は絶対フロアには出るなとは言ってたな。相馬は涼しそうでいいなーとか」「いいながら写メ撮ってたぞ。」顔ほどもあるワグナリア(ていうか轟さん特製)巨大フラッペをモリモリと減らしながら店長はあっけらかんと言う。「俺……このファミレス早めに辞めた方がいいんじゃないだろうか……」俺は改めてこの現実をかみ締めた。「カタナシくーん!入ったんならフロアおねがーい!」テーブルから下げてきた大量の食器をよいしょよいしょと運びながら、俺のスイーツハニー種島先輩が俺にそのかわいい声を飛ばしてきた。「うん、やっぱり種島先輩がいれば、どんな辛い境遇にだって堪えていけるさ。」俺は先ほどとは違う決意で拳に力を篭め、種島先輩に大きな声で返答する。「はーい!今すぐ!!」もうしばらく俺はここでがんばってみよう。俺は汗を拭いフロアーへ駆け出した。
>りるぷりの名月さん
∧_∧(´・ω・) まあたまには絵にも日本の季節らしいものでも。( つ旦O と_)_) 旦旦旦
>次は激難にしよう
「あ~、もう9話も消化しちゃったのかぁ。あと3話でなんとかまとめないとな。」「じゃあここらでひとつ加速しとくか。」
♪六月六日に雨ザーザー降ってきて
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Author:泡。1950 基本毎日不定期更新アニメ2次創作絵がメインで唯一。06/11/16 ブログレンタル開始リンクフリー拍手画更新13/11/05名無しの落書き所http://abk00.blog71.fc2.com/とぃってr- https://twitter.com/abc19502